力学単位では見抜けない例

sin と cos を取り違える

問題

傾きの角 θ のなめらかな斜面を、物体がすべり下りる。斜面に沿った加速度の大きさ a を求めよ。重力加速度の大きさを g とする。

ありがちな答えa=gcosθ

答えの単位で検算する

手順1 求めたい量の単位を確かめる

求めたいのは加速度 a。単位は ms2。

使える量の単位:

  • g:加速度 [ms2]
  • cosθ:単位のない数
  • sinθ:単位のない数
手順2 答えの右辺に単位を当てはめる

数字の係数(2、12、π など)は単位をもたないので無視します。

[gcosθ] =ms2 ○ 一致
手順3 比べる

単位は ms2 で合っています。でも、この答えは間違いです。次元解析では見つけられない種類のミスです。

どこで間違えやすいか

sin θ も cos θ も単位をもたない数なので、取り違えても単位は変わらない。力の図を描いて向きを確かめる必要がある。

正しい答え

正しい答えa=gsinθ
[gsinθ] =ms2 ○ 一致
どうやって見つけるか
sin と cos の取り違えは、極端な場合を考えると見つかります。θ = 0° なら斜面は水平なので加速度は 0 のはず。a = g cos θ だと g になってしまうので間違いだとわかります。
単位の検算は、こうした確かめ方とあわせて使いましょう。

力学的エネルギー・斜面のほかのミス

力学的エネルギー・斜面の検算のコツ

エネルギーは kg·m2s2。運動量 mv(kg·ms)と混ざると単位が合わなくなります。一方で 12 の付け忘れや sin・cos の取り違えは単位では見つからないので、極端な場合を考えて確かめます。

→ 力学的エネルギー・斜面のミスをまとめて見る

→ 加速度の単位の意味を調べる → 検算のやり方