力学中学理科で出てくる

エネルギー・仕事・熱量の単位 ジュール(J) の意味|基本単位で表すと kg·m2s2

J=kg·m2s2
次元 [M L² T⁻²]
検算のポイント

答えがエネルギー・仕事・熱量なら、右辺の単位は J(= kg·m2s2) になっているはず。ならなければ、どこかが間違っています。

関連するミス例:運動エネルギーで v を2乗し忘れる、コンデンサーのエネルギーで V を2乗し忘れる、光子のエネルギーで波長をかけてしまう、係数 12 を落とす、回転の運動エネルギーで ω を2乗し忘れる、コイルのエネルギーで I を2乗し忘れる

このページでわかること
  • エネルギー・仕事・熱量を言葉でどう言い表すか
  • その言葉を単位に置き換えると、なぜ J になるのか
  • J のいろいろな書き方と、その根拠になる公式

エネルギー・仕事・熱量とは? 言葉で意味をつかむ

エネルギー・仕事・熱量とは 仕事をする能力。力を加えて物を動かしたときの「力 × 距離」で測る。

言葉の式
エネルギー・仕事・熱量 = 加えた力 × 力の向きに動かした距離

言葉の式に出てくるそれぞれの言葉は、すでに単位がわかっている量です。言葉を単位に置き換えてみましょう。

言葉何の量か単位
加えた力力N
力の向きに動かした距離長さm
[エネルギー・仕事・熱量] =N×m
   =N·m
   =kg·m2s2
   =J
ジュール(J)は、この組み合わせ N·m に付けられた名前です。
1 N の力で物体を力の向きに 1 m 動かしたときの仕事が 1 J。

基本単位までたどる

言葉の式に出てきた量も、さらに言葉の式で分解できます。速度 → 加速度 → 力 → エネルギー・仕事・熱量 の順にたどると、すべて基本単位(m・kg・s・A・K・mol・cd)だけで表せます。

前提:速度・加速度・力の単位(知っていれば飛ばしてOK)

速さは「進んだ距離 ÷ かかった時間」。m を s で割って ms です。

[v] =m÷s=ms

加速度は「1秒あたりに速さがどれだけ変わるか」。速さの ms をさらに s で割るので ms2 になります。

[a] =ms÷s=ms2
力 — 運動方程式 F=ma

運動方程式 F = ma で、質量 kg と加速度 ms2 をかけると kg·ms2。この組み合わせに N(ニュートン)という名前がついています。

[F] =kg×ms2=kg·ms2=N

仕事は「力 × 動かした距離」。N に m をかけた N·m に、J(ジュール)という名前がついています。

[W] =N×m=N·m=kg·m2s2=J

J の別の書き方

同じ量でも、使う公式によって単位の見え方が変わります。どれも基本単位にすると一致します。

書き方根拠になる公式
J=N·m仕事の定義
W=Fx
J=W·s仕事率の定義
P=Wt
J=C·V電圧と仕事
W=qV
J=F·V2コンデンサーのエネルギー
U=12CV2
J=H·A2コイルのエネルギー
U=12LI2
J=Gy·kg吸収線量
D=Em

よくある間違い:同じ単位でも別の量

次の量は エネルギー・仕事・熱量 と次元 [M L² T⁻²] が同じです。単位が一致しても意味が違うことがあるので、検算のときは「何を表す量か」も確かめましょう。

エネルギー・仕事・熱量が出てくる公式

まとめ
  • エネルギー・仕事・熱量とは、仕事をする能力。力を加えて物を動かしたときの「力 × 距離」で測る。
  • 言葉の式 エネルギー・仕事・熱量 = 加えた力 × 力の向きに動かした距離 を単位に置き換えると N·m。
  • 基本単位だけで書くと kg·m2s2。

練習問題:分子と分母を見きわめる

問題文には単位が書いてあります。計算はしなくてかまいません。どの単位が分子(上)に、どの単位が分母(下)に来るかだけを考えて選んでください。

問1エネルギー・仕事・熱量は「加えた力 × 力の向きに動かした距離」で求められます。「加えた力」[N]、「力の向きに動かした距離」[m] のとき、エネルギー・仕事・熱量の単位はどれ?

答えと解説

正解:C N·m

かける量(加えた力・力の向きに動かした距離)の単位が分子、分母に来る単位はありません。まとめると N·m = J。

問2仕事率の定義 P=Wt を使います。P 「仕事率・電力」[W]、t 「時間」[s] のとき、エネルギー・仕事・熱量 W の単位はどれ?

答えと解説

正解:A W·s

式を W について解くと W=Pt。分子・分母にそれぞれの単位を入れると W·s = J。

問3エネルギー・仕事・熱量 = 加えた力 × 力の向きに動かした距離 です。「エネルギー・仕事・熱量」[J]、「力の向きに動かした距離」[m] のとき、「加えた力」の単位はどれ?

答えと解説

正解:A Jm

言葉の式を「加えた力」について解き直すと「加えた力 = エネルギー・仕事・熱量 ÷ 力の向きに動かした距離」。単位を入れると Jm = N。

次に読む:エネルギー・仕事・熱量を使って表される量