力学高校物理・化学で出てくる

力のモーメント(トルク)の単位 N·m の意味|基本単位で表すと kg·m2s2

N·m=kg·m2s2
次元 [M L² T⁻²]
検算のポイント

答えが力のモーメント(トルク)なら、右辺の単位は N·m(= kg·m2s2) になっているはず。ならなければ、どこかが間違っています。

このページでわかること
  • 力のモーメント(トルク)を言葉でどう言い表すか
  • その言葉を単位に置き換えると、なぜ N·m になるのか
  • N·m のいろいろな書き方と、その根拠になる公式

力のモーメント(トルク)とは? 言葉で意味をつかむ

力のモーメント(トルク)とは 物体を回そうとする働き。回転軸からの距離と力の積。

言葉の式
力のモーメント(トルク) = 回転軸からの距離 × 加えた力

言葉の式に出てくるそれぞれの言葉は、すでに単位がわかっている量です。言葉を単位に置き換えてみましょう。

言葉何の量か単位
回転軸からの距離長さm
加えた力力N
[力のモーメント(トルク)] =m×N
   =N·m
   =kg·m2s2

言葉の通りに単位を並べるだけで、N·m が出てきました。

基本単位までたどる

言葉の式に出てきた量も、さらに言葉の式で分解できます。速度 → 加速度 → 力 → 力のモーメント(トルク) の順にたどると、すべて基本単位(m・kg・s・A・K・mol・cd)だけで表せます。

前提:速度・加速度・力の単位(知っていれば飛ばしてOK)

速さは「進んだ距離 ÷ かかった時間」。m を s で割って ms です。

[v] =m÷s=ms

加速度は「1秒あたりに速さがどれだけ変わるか」。速さの ms をさらに s で割るので ms2 になります。

[a] =ms÷s=ms2
力 — 運動方程式 F=ma

運動方程式 F = ma で、質量 kg と加速度 ms2 をかけると kg·ms2。この組み合わせに N(ニュートン)という名前がついています。

[F] =kg×ms2=kg·ms2=N

トルクは「回転軸からの距離 × 力」。m と N をかけて N·m です。エネルギーの J と同じ形ですが、意味が違うのでトルクには J を使いません。

[τ] =m×N=N·m=kg·m2s2

N·m の別の書き方

同じ量でも、使う公式によって単位の見え方が変わります。どれも基本単位にすると一致します。

書き方根拠になる公式
N·m=C·V電場中の双極子が受ける力のモーメント
τ=pEsinθ

よくある間違い:同じ単位でも別の量

次の量は 力のモーメント(トルク) と次元 [M L² T⁻²] が同じです。単位が一致しても意味が違うことがあるので、検算のときは「何を表す量か」も確かめましょう。

力のモーメント(トルク)が出てくる公式

まとめ
  • 力のモーメント(トルク)とは、物体を回そうとする働き。回転軸からの距離と力の積。
  • 言葉の式 力のモーメント(トルク) = 回転軸からの距離 × 加えた力 を単位に置き換えると N·m。
  • 基本単位だけで書くと kg·m2s2。

練習問題:分子と分母を見きわめる

問題文には単位が書いてあります。計算はしなくてかまいません。どの単位が分子(上)に、どの単位が分母(下)に来るかだけを考えて選んでください。

問1力のモーメント(トルク)は「回転軸からの距離 × 加えた力」で求められます。「回転軸からの距離」[m]、「加えた力」[N] のとき、力のモーメント(トルク)の単位はどれ?

答えと解説

正解:C m·N

かける量(回転軸からの距離・加えた力)の単位が分子、分母に来る単位はありません。まとめると m·N = N·m。

問2回転の運動方程式 τ=Iα を使います。I 「慣性モーメント」[kg·m2]、α 「角加速度」[rads2] のとき、力のモーメント(トルク) τ の単位はどれ?

答えと解説

正解:C (kg·m2)·rads2

式を τ について解くと τ=Iα。分子・分母にそれぞれの単位を入れると (kg·m2)·rads2 = kg·m2s2 = N·m。

問3力のモーメント(トルク) = 回転軸からの距離 × 加えた力 です。「力のモーメント(トルク)」[N·m]、「加えた力」[N] のとき、「回転軸からの距離」の単位はどれ?

答えと解説

正解:B N·mN

言葉の式を「回転軸からの距離」について解き直すと「回転軸からの距離 = 力のモーメント(トルク) ÷ 加えた力」。単位を入れると N·mN = m。