力学定番問題

アトウッドの器械(滑車につるした2つのおもり)の加速度を、単位と代入で検算する

問題

軽い定滑車に軽い糸をかけ、両端に質量 m₁、m₂ のおもりをつるして静かに放す。m₁ が下がる向きを正として、加速度 a を求めよ。重力加速度の大きさを g とする。

答えa=(m1−m2)gm1+m2

答えが出たら、提出する前に2つの方法で確かめます。① 単位で式の形を確かめ、② 特別な値の代入で中身を確かめます。

① 答えの単位で確かめる

求めたいのは加速度 a。単位は ms2。

使う量の単位:

足し算・引き算でまとめた部分((m1−m2)、(m1+m2))は、中の項の単位がそろっているので、1つの量として扱えます。

[(m1−m2)gm1+m2] =kg·ms2kg=ms2 ○ 一致

単位は ms2 で一致しました。ただし、これだけでは係数や符号、sin と cos の取り違えはわかりません。

② 特別な値を代入して確かめる

答えがすぐにわかる極端な場合を考え、式に代入して同じ結果になるかを確かめます。

1m₁ = m₂(同じ重さ)○ 合う
式に代入するとa=0
物理的にはつり合っているので、動かないはず
2m₂ = 0(片方だけ)○ 合う
式に代入するとa=g
物理的にはm₁ だけが糸を引っぱらずに落ちるので、自由落下の g になるはず
3m₂ → ∞(反対側がとても重い)○ 合う
式に代入するとa → −g
物理的には重いほうが自由落下に近づき、m₁ は g で引き上げられるはず

どの場合も、物理的に正しい結果になりました。単位と代入の両方を通った答えは、かなり信頼できます。

単位は合うのに間違っている答えを、代入で見抜く

ありがちな答えa=(m1−m2)gm1
[(m1−m2)gm1] =kg·ms2kg=ms2 ○ 一致

単位は合っているので、①だけでは見抜けません。そこで m₂ → ∞(反対側がとても重い) を代入すると、

m₂ → ∞ で a → −∞。どんなに重くしても、落ちる速さが g を超えて増え続けることはありません。2つのおもりを「まとめて」動かすので、分母は全体の質量 m₁ + m₂ です。

この問題の検算のコツ

2つの量の差が出てくる答えは、「2つが等しいとき 0 になるか」をまず確かめます。

ほかの定番問題

→ 代入で検算する方法と、問題の一覧 → 加速度の単位の意味

よくある質問

アトウッドの器械の加速度の答えは?
a=(m1−m2)gm1+m2 です。
答えが合っているか、どうやって確かめる?
まず単位が ms2 になるかを確かめ、次に m₁ = m₂、m₂ = 0、m₂ → ∞ のような特別な値を代入して、物理的に当然の結果になるかを確かめます。
単位が合っていれば正しい?
いいえ。係数、符号、sin と cos の取り違えは単位では見つかりません。このページの「a=(m1−m2)gm1」のように、単位が合っていても間違っている答えは、代入で見抜きます。