力学難関大の二次試験で出てくる

粘性係数(粘度)の単位 Pa·s の意味|基本単位で表すと kgm·s

Pa·s=kgm·s
次元 [M L⁻¹ T⁻¹]
検算のポイント

答えが粘性係数(粘度)なら、右辺の単位は Pa·s(= kgm·s) になっているはず。ならなければ、どこかが間違っています。

このページでわかること
  • 粘性係数(粘度)を言葉でどう言い表すか
  • その言葉を単位に置き換えると、なぜ Pa·s になるのか

粘性係数(粘度)とは? 言葉で意味をつかむ

粘性係数(粘度)とは 流体のねばりけ。流れの速さの差に逆らう力の大きさを決める。

言葉の式
粘性係数(粘度) = 流れを妨げる力 × 層の間隔 ÷ 触れ合う面積 ÷ 流れの速さの差

言葉の式に出てくるそれぞれの言葉は、すでに単位がわかっている量です。言葉を単位に置き換えてみましょう。

言葉何の量か単位
流れを妨げる力力N
層の間隔長さm
触れ合う面積面積m2
流れの速さの差速度ms
[粘性係数(粘度)] =N×m÷m2÷ms
   =N·sm2
   =kgm·s
   =Pa·s

言葉の通りに単位を並べるだけで、Pa·s が出てきました。

基本単位までたどる

言葉の式に出てきた量も、さらに言葉の式で分解できます。速度 → 加速度 → 力 → 面積 → 粘性係数(粘度) の順にたどると、すべて基本単位(m・kg・s・A・K・mol・cd)だけで表せます。

前提:速度・加速度・力・面積の単位(知っていれば飛ばしてOK)

速さは「進んだ距離 ÷ かかった時間」。m を s で割って ms です。

[v] =m÷s=ms

加速度は「1秒あたりに速さがどれだけ変わるか」。速さの ms をさらに s で割るので ms2 になります。

[a] =ms÷s=ms2
力 — 運動方程式 F=ma

運動方程式 F = ma で、質量 kg と加速度 ms2 をかけると kg·ms2。この組み合わせに N(ニュートン)という名前がついています。

[F] =kg×ms2=kg·ms2=N

面積は長さ×長さなので m² です。

[S] =m2

粘性の法則 F=ηSvd を η について解くと η=FdSv。単位を当てはめて整理すると、Nm2(= Pa)に s をかけた Pa·s が残ります。

[η] =N×m÷m2÷ms=N·sm2=kgm·s=Pa·s

粘性係数(粘度)が出てくる公式

まとめ
  • 粘性係数(粘度)とは、流体のねばりけ。流れの速さの差に逆らう力の大きさを決める。
  • 言葉の式 粘性係数(粘度) = 流れを妨げる力 × 層の間隔 ÷ 触れ合う面積 ÷ 流れの速さの差 を単位に置き換えると N·sm2。
  • 基本単位だけで書くと kgm·s。

練習問題:分子と分母を見きわめる

問題文には単位が書いてあります。計算はしなくてかまいません。どの単位が分子(上)に、どの単位が分母(下)に来るかだけを考えて選んでください。

問1粘性係数(粘度)は「流れを妨げる力 × 層の間隔 ÷ 触れ合う面積 ÷ 流れの速さの差」で求められます。「流れを妨げる力」[N]、「触れ合う面積」[m2]、「流れの速さの差」[ms]、「層の間隔」[m] のとき、粘性係数(粘度)の単位はどれ?

答えと解説

正解:C N·mm2·ms

かける量(流れを妨げる力・層の間隔)の単位が分子、割る量(触れ合う面積・流れの速さの差)の単位が分母に来ます。まとめると N·mm2·ms = N·sm2 = Pa·s。

問2ストークスの法則 F=6πηrv を使います。F 「力」[N]、r 「長さ」[m]、v 「速度」[ms] のとき、粘性係数(粘度) η の単位はどれ?

答えと解説

正解:D Nm·ms

式を η について解くと η=Frv。分子・分母にそれぞれの単位を入れると Nm·ms = N·sm2 = Pa·s。

問3粘性係数(粘度) = 流れを妨げる力 × 層の間隔 ÷ 触れ合う面積 ÷ 流れの速さの差 です。「粘性係数(粘度)」[Pa·s]、「触れ合う面積」[m2]、「流れの速さの差」[ms]、「層の間隔」[m] のとき、「流れを妨げる力」の単位はどれ?

答えと解説

正解:D (Pa·s)·m2·msm

言葉の式を「流れを妨げる力」について解き直すと「流れを妨げる力 = 粘性係数(粘度) × 触れ合う面積 × 流れの速さの差 ÷ 層の間隔」。単位を入れると (Pa·s)·m2·msm = Pa·m2 = N。