波・光・量子定番問題

近づいてくる音源のドップラー効果を、単位と代入で検算する

問題

振動数 f の音を出す音源が、静止した観測者に向かって速さ v で近づく。音速を V として、観測者が聞く音の振動数 f′ を求めよ。

答えf′=VfV−v

答えが出たら、提出する前に2つの方法で確かめます。① 単位で式の形を確かめ、② 特別な値の代入で中身を確かめます。

① 答えの単位で確かめる

求めたいのは振動数・周波数 f′。単位は Hz(= 1s)。

使う量の単位:

足し算・引き算でまとめた部分((V−v)、(V+v))は、中の項の単位がそろっているので、1つの量として扱えます。

[VfV−v] =ms·Hzms=1s ○ 一致

単位は 1s で一致しました。ただし、これだけでは係数や符号、sin と cos の取り違えはわかりません。

② 特別な値を代入して確かめる

答えがすぐにわかる極端な場合を考え、式に代入して同じ結果になるかを確かめます。

1v = 0(音源が止まっている)○ 合う
式に代入するとf′=f
物理的には何も動いていなければ、出した音がそのまま聞こえるはず
2v > 0(近づいてくる)○ 合う
式に代入するとf′ > f
物理的には救急車が近づくときのように、高い音に聞こえるはず
3v → V(音速で近づく)○ 合う
式に代入するとf′ → ∞
物理的には音源が自分の出した音に追いつき、波が1か所に重なる(衝撃波)ので、式が使えなくなるはず

どの場合も、物理的に正しい結果になりました。単位と代入の両方を通った答えは、かなり信頼できます。

単位は合うのに間違っている答えを、代入で見抜く

ありがちな答えf′=VfV+v
[VfV+v] =ms·Hzms=1s ○ 一致

単位は合っているので、①だけでは見抜けません。そこで v > 0(近づいてくる) を代入すると、

v > 0 で f′ < f。近づいてくる救急車のサイレンが低く聞こえることになります。これは遠ざかるときの式です。

この問題の検算のコツ

ドップラー効果の符号は「近づけば高く、遠ざかれば低く」と、v = 0 で元に戻ることの2つで確かめます。

ほかの定番問題

→ 代入で検算する方法と、問題の一覧 → 振動数・周波数の単位の意味

よくある質問

ドップラー効果(音源が近づく場合)の答えは?
f′=VfV−v です。
答えが合っているか、どうやって確かめる?
まず単位が Hz になるかを確かめ、次に v = 0、v > 0、v → V のような特別な値を代入して、物理的に当然の結果になるかを確かめます。
単位が合っていれば正しい?
いいえ。係数、符号、sin と cos の取り違えは単位では見つかりません。このページの「f′=VfV+v」のように、単位が合っていても間違っている答えは、代入で見抜きます。