力学定番問題

粗い斜面をすべり下りる物体の加速度を、単位と代入で検算する

問題

傾きの角 θ の粗い斜面を、物体がすべり下りている。動摩擦係数を μ′、重力加速度の大きさを g として、斜面に沿って下向きの加速度 a を求めよ。

答えa=g(sinθ−μ′cosθ)

答えが出たら、提出する前に2つの方法で確かめます。① 単位で式の形を確かめ、② 特別な値の代入で中身を確かめます。

① 答えの単位で確かめる

求めたいのは加速度 a。単位は ms2。

使う量の単位:

[gsinθ] =ms2 ○ 一致
[gμ′cosθ] =ms2 ○ 一致

単位は ms2 で一致しました。ただし、これだけでは係数や符号、sin と cos の取り違えはわかりません。

② 特別な値を代入して確かめる

答えがすぐにわかる極端な場合を考え、式に代入して同じ結果になるかを確かめます。

1μ′ = 0(摩擦のない斜面)○ 合う
式に代入するとa=gsinθ
物理的にはなめらかな斜面の加速度 g sin θ に戻るはず
2θ = 90°(垂直な壁)○ 合う
式に代入するとa=g
物理的には壁に沿って落ちるだけなので、自由落下の g になるはず(垂直抗力が 0 なので摩擦もない)
3θ = 0(水平な面)○ 合う
式に代入するとa=−μ′g
物理的には水平な面をすべる物体は、摩擦で減速するだけ。大きさ μ′g でブレーキがかかるはず

どの場合も、物理的に正しい結果になりました。単位と代入の両方を通った答えは、かなり信頼できます。

単位は合うのに間違っている答えを、代入で見抜く

ありがちな答えa=g(cosθ−μ′sinθ)
[gcosθ] =ms2 ○ 一致
[gμ′sinθ] =ms2 ○ 一致

単位は合っているので、①だけでは見抜けません。そこで θ = 0(水平な面) を代入すると、

θ = 0 を代入すると a = g。水平な床に置いた物体が、勝手に g で加速することになってしまいます。

この問題の検算のコツ

sin と cos の取り違えは単位では見つかりません。θ = 0 と θ = 90° を入れるのが一番の近道です。

ほかの定番問題

→ 代入で検算する方法と、問題の一覧 → 加速度の単位の意味

よくある質問

斜面をすべる物体の加速度(摩擦あり)の答えは?
a=g(sinθ−μ′cosθ) です。
答えが合っているか、どうやって確かめる?
まず単位が ms2 になるかを確かめ、次に μ′ = 0、θ = 90°、θ = 0 のような特別な値を代入して、物理的に当然の結果になるかを確かめます。
単位が合っていれば正しい?
いいえ。係数、符号、sin と cos の取り違えは単位では見つかりません。このページの「a = g(cos θ − μ′ sin θ)」のように、単位が合っていても間違っている答えは、代入で見抜きます。