電磁気難関大の二次試験で出てくる

電気伝導率の単位 Sm の意味|基本単位で表すと A2·s3kg·m3

Sm=A2·s3kg·m3
次元 [M⁻¹ L⁻³ T³ I²]
検算のポイント

答えが電気伝導率なら、右辺の単位は Sm(= A2·s3kg·m3) になっているはず。ならなければ、どこかが間違っています。

このページでわかること
  • 電気伝導率を言葉でどう言い表すか
  • その言葉を単位に置き換えると、なぜ Sm になるのか

電気伝導率とは? 言葉で意味をつかむ

電気伝導率とは 物質そのものの電流の流れやすさ。電場 1Vm あたりに流れる電流密度。

言葉の式
電気伝導率 = 流れる電流密度 ÷ かかる電場

言葉の式に出てくるそれぞれの言葉は、すでに単位がわかっている量です。言葉を単位に置き換えてみましょう。

言葉何の量か単位
流れる電流密度電流密度Am2
かかる電場電場(電界)Vm
[電気伝導率] =Am2÷Vm
   =Am·V
   =A2·s3kg·m3
   =Sm

言葉の通りに単位を並べるだけで、Sm が出てきました。

基本単位までたどる

言葉の式に出てきた量も、さらに言葉の式で分解できます。速度 → 加速度 → 力 → エネルギー・仕事・熱量 → 電荷(電気量) → 電圧・電位 → 電気抵抗 → 面積 → 抵抗率 → 電気伝導率 の順にたどると、すべて基本単位(m・kg・s・A・K・mol・cd)だけで表せます。

前提:速度・加速度・力・エネルギー・仕事・熱量・電荷(電気量)・面積の単位(知っていれば飛ばしてOK)

速さは「進んだ距離 ÷ かかった時間」。m を s で割って ms です。

[v] =m÷s=ms

加速度は「1秒あたりに速さがどれだけ変わるか」。速さの ms をさらに s で割るので ms2 になります。

[a] =ms÷s=ms2
力 — 運動方程式 F=ma

運動方程式 F = ma で、質量 kg と加速度 ms2 をかけると kg·ms2。この組み合わせに N(ニュートン)という名前がついています。

[F] =kg×ms2=kg·ms2=N

仕事は「力 × 動かした距離」。N に m をかけた N·m に、J(ジュール)という名前がついています。

[W] =N×m=N·m=kg·m2s2=J

電荷は「電流 × 流れた時間」。A に s をかけた A·s が C(クーロン)です。

[q] =A×s=A·s=C

面積は長さ×長さなので m² です。

[S] =m2

電圧は「1 C の電荷が2点の間を移動するときに得るエネルギー」。W = qV を V について解いて JC。これが V(ボルト)です。

[V] =J÷C=JC=kg·m2A·s3=V

オームの法則 V = RI から R=VI。V を A で割った VA が Ω(オーム)です。

[R] =V÷A=VA=kg·m2A2·s3=Ω
抵抗率 — 抵抗率 R=ρlS

抵抗 R=ρlS から ρ=RSl。Ω × m² ÷ m で Ω·m です。

[ρ] =Ω×m2÷m=Ω·m=kg·m3A2·s3

電気伝導率は抵抗率の逆数。Ω·m をひっくり返して、Ω⁻¹ = S なので Sm です。

[σ] =1÷(Ω·m)=1Ω·m=A2·s3kg·m3=Sm

電気伝導率が出てくる公式

まとめ
  • 電気伝導率とは、物質そのものの電流の流れやすさ。電場 1Vm あたりに流れる電流密度。
  • 言葉の式 電気伝導率 = 流れる電流密度 ÷ かかる電場 を単位に置き換えると Am·V。
  • 基本単位だけで書くと A2·s3kg·m3。

練習問題:分子と分母を見きわめる

問題文には単位が書いてあります。計算はしなくてかまいません。どの単位が分子(上)に、どの単位が分母(下)に来るかだけを考えて選んでください。

問1電気伝導率は「流れる電流密度 ÷ かかる電場」で求められます。「流れる電流密度」[Am2]、「かかる電場」[Vm] のとき、電気伝導率の単位はどれ?

答えと解説

正解:C Am2Vm

かける量(流れる電流密度)の単位が分子、割る量(かかる電場)の単位が分母に来ます。まとめると Am2Vm = Am·V = Sm。

問2オームの法則(局所形) j=σE を使います。j 「電流密度」[Am2]、E 「電場(電界)」[Vm] のとき、電気伝導率 σ の単位はどれ?

答えと解説

正解:D Am2Vm

式を σ について解くと σ=jE。分子・分母にそれぞれの単位を入れると Am2Vm = Am·V = Sm。

問3電気伝導率 = 流れる電流密度 ÷ かかる電場 です。「電気伝導率」[Sm]、「かかる電場」[Vm] のとき、「流れる電流密度」の単位はどれ?

答えと解説

正解:D Sm·Vm

言葉の式を「流れる電流密度」について解き直すと「流れる電流密度 = 電気伝導率 × かかる電場」。単位を入れると Sm·Vm = S·Vm2 = Am2。